散歩中にたまに開く、地獄行き確定BOX


 

ちゃんとしてる日は、だいたい8000〜10000歩くらい歩く。

一気にじゃない。30分くらいの散歩を何回か、みたいなやつだ。


歩いてると、脳がたまに変な動きをする。

考え事をしてるわけでもないのに、急に何かの箱が開く。

中身はランダムだ。

ナンジャタウンとか、チョベリバとか、じょうだんはよしこちゃんとか。

今さら何の役にも立たない単語ばかり。

ああ、ちゃんと覚えてたんだな、って感心して終わることが多い。


でも、たまぁに最悪の箱が混ざる。


昔、悪気なく言った一言。

ノリで投げた言葉。

今思えば、普通に言葉の暴力だったな、ってやつ。

相手の顔はぼんやりしてるのに、空気だけはやけに鮮明で、

「あー、これはダメだな」って、今の自分ならわかる。


謝ることはできない。

連絡先も知らないし、

会って酒でも飲ませてやる、なんて都合のいいイベントも発生しない。

だから、やることは一つしかなくて、

「すまんな」って思うだけだ。


で、次に来るのが

「まあ俺、地獄行き確定だよな」

っていう確認作業。


許すも許さないも、俺が決めることじゃない。

償えもしない。

だから脳みそが勝手に

「じゃあ地獄で反省しとけ」

って処理してるんだと思う。

簡易地獄。滞在時間は数秒。


反省してるのか、自罰なのかは正直わからない。

ただ、裁判も救済も起きないまま、

刑だけが一瞬で確定する。

控訴もしないし、泣き言も言わない。

はい終了、次の箱へ。


そして不思議なことに、

そのあと何事もなかったように歩けてしまう。

引きずらない。

許したわけでもない。

ただ「そういうこともあったな」って棚卸しして、

また忘れていく。


人間って、全部は背負えないんだろうな。

だからたまに思い出して、

一瞬だけ地獄に落ちて、

何食わぬ顔で帰ってくる。

散歩って、そういう装置なのかもしれない。

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